『ハルカくんのために、開店と同時に買いに行ったのに』
私がそう言うと困ったように眉根を下げた。
「結構高かったけど、奮発したのに・・・」
ハルカくんは今にも拗ねそう・・・。
『・・・仕方ないか。 いらないなら兄さんにでも持っていく』
「あーもう・・・分かったよ。 もらってあげる。 でも、これで貸し作った気にならないでよ」
・・・ハルカくん。
やっぱ・・・・複雑な性格してるよね?
ん〜・・・ま・・・いっか・・・。
私は微笑んで、狐さん・・・いや・・・ハルカくんを見た。
『よかった。 私がリサーチしたところ、このパンプキンキッシュは世界最高峰のカボチャを使ってるんだって』
「最高峰・・・!」
『バターや卵も選び抜かれた材料を使ってるらしいから、1日に販売できる数が決まってるの』
ハルカくんは少し目を見開いて、
「奮発したって言ってたし・・・。 限定品なら結構高いんじゃないの?」
『まあ、それなりの値段だった』
「500円くらい?」
『それの・・・うん、金額は想像に任せるよ』
「もしかして・・・600円・・・!?」
『・・・重要なのは中身。 開けてみて』
恐る恐る慎重に空けた箱の中身は・・・何とも食欲そそるパンプキンキッシュだった。
「こ、これが・・・パンプキンキッシュか」
ハルカくん、目が輝いてる・・・。
買って来たかいがあったね。
『紅茶入れるよ』
ハルカくんがパンプキンキッシュに釘付けになってる隙に、空になった私とハルカくんが一目惚れしたペアマグカップを片づける。
紅茶は・・・あった。
そうだ、ミルクティーにしよ。
角砂糖を置き、カップを手にして振り向くと・・・。
