「ふふ・・・不法侵入ッ、で訴えますよぅ」


なんの前触れもなく空いた窓の前でちょっぴりカミながらルナさん。

私は一切動じず部屋に上がり込んだ。

ロッククライミング得意なの。

というよりスポーツ全般。

家事とかの女子力は低いけどね・・・。

五階建て? そんなの楽勝♪


『来るなら扉から入って下さい』


なんかシュウさん幽霊でも見たかのように顔面蒼白だけど?

なんか身体・・・震えてるよ?

ルナさんは胸を押さえながら気持ちを落ち着かせるように深呼吸を繰り返すと、非難めいた視線を送ってくる。


『だって閉まってるし、いつも入れてくれないもん』

それだけ言ってベッドに腰掛けた。

ていうか、これでも家政婦なんだから不法侵入にはならないんだけどな・・・自然と笑みがこぼれてしまう。

そんな私をルナさんは戸惑ったような顔をして見てた。

手持ち無沙汰になったのかルナさんは悩んだ挙句、人一人分の距離を空けて座った。

他人行儀なのはよしてほしいな。

なんか・・・警戒されてる?

別に取って食ったりしないのに・・・。