『はあ・・・』
これから、どうしよう。
「おーい、何かすげー顔になってんよ」
アイジさんと家政婦契約してるからって、いつクビになるかわからない。
ルナさんにもダメ出しされて・・・。
急に目の前が真っ暗になった気がして、何度目かの深いため息を吐いた時だった。
「ねえ、聞いてんの? 染谷!」
『へっ!? あ、シュウさん・・・?』
大きな声に慌てて振り返れば、朝から色気だだ漏れのシュウさんが立っていた。
『ご、ごめん。 朝食もうすぐできるからね』
「朝食って・・・。 その消し炭になってるやつ?」
『えっ!?』
そこでやっと、サラダを作ってる間にフライパンで焼いていたベーコンから、煙が出ていることに気付いた。
昨日の卵焼きに続いて今日はベーコンが炭になるんて・・・。
「・・・俺、どうせすぐ出かけるし。 コンビニで買って食う」
『ま、待って。 すぐ作り直せるから』
「そんな状態で料理とか、無理でしょ。 変なモノ食って腹壊したくないよ」
『ごめんなさい』
シュウさんの言葉にぐうの音もでずに、ただただ落ち込む。
これじゃ家政婦の意味ないよ・・・。
終わった・・・明日にでもこの家を追い出されて、路頭に迷う姿しか想像できない・・・。
今日からまた頭を切り替えて、仕事に集中しなきゃいけないのに。