ルナside

はぁ〜、いい湯加減ですね〜。

あの家政婦使える・・・。

家に着くなり、家政婦さんは疲れを手っ取り早く取るにはお風呂が効果的だと、ぐいぐい引っ張られるがまま、僕はなぜか年上のヒロトさんとユウタママより先に、滅多に入れない一番風呂を浴びることになった。

今頃リビングはカオス状態かな。

ライフスタイルが違う僕たちは、それぞれ仕事や野暮用があって家にいる時間が少なく、毎日不気味なくらいの静寂に包まれている。

昨日は全員が朝帰りで今日は珍しく家族がそろった日なのに・・・。

不吉な黒猫が1匹迷い込んだおかげで、さすがにいつも通りとまではいかない。

そんな感じで疲労困憊だ。

ーー30分後。

部屋着でリビングに向かうと、「あっつ!」という叫び声が聞こえた。

野次馬根性で気になった僕・・・。

キッチンに行って見るとフライパンの蓋を盾代わりにして、コンロの前に立つ家政婦さんがいた。

何事かとみんなも集まってきたみたい。

エプロン姿可愛いな・・・。

父さんの愛人は派手な女性が多いけど、歴代の愛人の中でも家政婦さんは、どこにでもいるごくごく普通な女の子。

悪く言えば、いかにも純粋そうで面倒な子を相手にするのは意外だった。

夕焼け色のグラデーションしたショートの髪はボーイッシュな印象を与えて、前髪の一部分だけを結んでる。 目は神秘的な琥珀色。

肌は透き通るような色白で、手足は長く理想のモデル体型。

美人よりカワイイ系に分類する、超天使。

そこらの芸能人なんかよりずっとカワイイ。

胸と色気は及第点ってところかな・・・。