静かに目を閉じた。

そっと、そっと・・・唇が触れた・・・。

温かくて、柔らかくて、なんだか幸せで。

そっと唇が離れヒロトさんの手が視界を遮る。

バンッ!

硝煙と血の匂いが鼻腔をくすぐり、穏やかじゃない空気に眉根をしかめた。

ああ・・・死ねない・・・。

夢から覚めたら長い説教だからね。

ぽつりーーー涙が頬に落ちた。

遠のく意識の中で誰かが泣いてる声がする。

抱きしめてあげたいけど、身体は鉛のように重く微動だにしない。

思わず歯噛みした。

・・・その時。

バンッ!!

5発の銃声が耳の奥で木霊する。


「好きだよ・・・」


すぐ側から聞こえてくるゆる〜いボイスは、やっぱり私の心臓を騒がせる。


「おやすみ」


耳に、

頬に、

首に、

額に、

手に、

目尻に、

みんなの唇が触れてドキドキする。


「夢から覚めたら一番に会いに行く」


甘く囁くヒロトさんの吐息に、思わず笑みが零れた。