「ま、大事なお姫様に何かあったらお前ら、死神が命を狩りにくるぞ?」


「マジッすか?」


「ああ・・・これ常識な?」


「あの・・・無神さん、ユリお姉様とは知り合いのようですけど・・・どういう・・・」


「なんだ? 聞いてないのか?」


ルナさんに平然と答える無神さんは、物腰は柔らかいけど声は冷たい。


「はい・・・僕達はユリお姉様のことを知ってるようで・・・何も知りません・・・」


「まっ厄介な難事件だわな? けど娘みたいに可愛がってるよ」


な?・・・と私の頭をくしゃくしゃ撫でる。


『むぅ』


「黒猫を手懐けるのは大変だぞ・・・全然靡かねえし・・・男の武器使っても無駄だ。 誰にでも平等に愛嬌を振りまくからな?」


やれやれ・・・と肩を竦める。

無神さん、誘惑された覚えないんだけど・・・。

みんなが困るのを見て、愉快そうに笑ってる・・・。


「まっ頑張れよ。 女子力ないから家事や料理は期待しない方がいい。 腹壊すから毒味しろ。 じゃあな」

ヒラヒラーーーーと手を振り退散する無神さん。

みんなはゲラゲラ腹を抱えて笑い転げながら無神さんを見送る・・・。

部屋を出る前にくるりと振り向き、


「ユリ、夜中でも電話しろ、添い寝してやる」


「どうしてですか?」


と聞くユウタママに、


「ああ? 人肌恋しいから?」


妖艶な微笑を浮かべて・・・去っていった。


『寝込み襲う・・・』


軽く、胸に誓ってみた。