「だって・・・みんなに嫌われて口を聞いてくれなくなると思って・・・』
「まあ、・・・らしいな? お前ら、ユリが友人と同じ目を持ってるってのはそのままの意味だ」
私の頭に手を置いてポンと叩くと、今度はみんなに向かって真剣な表情をする無神さん。
「そのままの意味・・・ってことは父さんからもらったってことですか・・・?」
「そうだ。 ほら、あのギターも昔馴染みの友人のものだしな?」
部屋の隅に置かれてる赤いギターを指差す。
「えええっ?」
「ま・・・そういうことだ、わかるな? 真実の眼は高く売れるらしい。 それからユリ。 武器を調達したついでに改造しといた」
『さすが・・・お金払うよ? 遠慮しないで?』
手に馴染むね? 銃弾もいいものばかり。
「金には困ってない・・・その代わりと言っては何だが・・・難解なパズルがほしい」
『パズルって・・・』
欲が無さすぎないかい・・・?
「ダメなら身体で払ってもいいが? お前限定だ」
・・・しかも・・・身体で? 私限定なんだ?
『デートは? 無神さん、泊まってく?』
「やだね? 叶わない約束はしない主義だ」
『は・・・?』
「旅は道連れ世は情けだろ? 死に急ぐな。 兄妹ケンカに部外者が口を挟むのは野暮だ。 だから直接手は下さない」
『はあ・・・』
これだから参謀系ドSは・・・。
「地下飼育場であいつらを拉致する目標のためには裏切りすら辞さない俺だが・・・お前のことは大切に思ってる」
『うわぁ・・・』
人を掌握するの得意だもんね?
「あんた・・・ユリのこと・・・」
ヒロトさんが目を見張ってる。