あれから私は西郷家の謎の圧力によって紫苑学園に再び帰ってきた。

圧力・・・というか・・・紫苑学園に多額の寄付をしてるのをいいことに脅迫、気の弱い理事長は泣き寝入りするしかなかった。

私の友人に元ヤンのSPがいるし、事と次第によっては脅迫罪の罪で逮捕しますよー。

縛り上げるヒロトさんとユウタママがさすがの手際だったことについては、何も言わないでおこうっと・・・。

毎日のように昼休みは屋上、放課後はサポメンとしてライブに顔を出す。

屋上ではみんなと壁にペンキで落書きしながら武勇伝を語ったり・・・。

シンさんはいつも携帯の画面と睨めっこ・・・。 ほとんどのみんなが仕事の呼び出しやらスケージュールの変更でそうなんだけど・・・私生活を邪魔しないように不備があった時だけみんなは連絡入るのに・・・どうしてかな?

カノン達とお弁当を食べたり・・・放課後一緒に遊ぶこともあるけど、Roseliaが私に接近してこないか心配するような顔をするから、用心に越したことはないので、古賀さんに護衛を頼んだ。


「シンくーん、あ〜そぼ〜」


放課後。

派手目の化粧をした女の子が狼に近寄った。

黒のセーラー服の胸ポケットには紫苑学園のエンブレムが入ってる。

襟の部分には金の縁取りがされていて、とても上品かつ清楚。

ギラギラした黒と金のチェックのリボンにおそろい柄のスカート。

ちょっとスカートは短め。

太ももの半分くらいの丈。

「硬派なシンも好きだけど、たまには羽目を外してもいいんじゃない?」そう言いながら二人の女子生徒は胸や太ももを擦り付けて上目遣いの、甘えるような仕草で首を傾げた。

シンさんは顔が真っ青になって、尋常じゃなく震えてた。

きっと、女嫌いのトラウマがあるんだ・・・。

私はヤバい、と思って女子生徒に見せつけるようにしながら腕に手を絡ませた。


『みんなッ!!! ご〜めんネ!? 今日はシン先輩と私、デートだからサァ!?』


「は!?」


『シン先輩はぁ、あ〜げない♡』


「はあぁあ!?」


『じゃあネェ〜』


少しだけ早口で言ったせいで、軽く息が切れた。

でもそれでもシンさんを値踏みするような視線が嫌だった。

逃げようと、足早でシンさんの腕を引っ張った。

シンさんのことで頭がいっぱいで気づけなかったんだ。 騒ぎを聞き付けた野次馬の中に潜むニタリと笑う悪女に。