「はい、時間切れ」


『えー・・・』


「残念、俺たちのお姫様は脈なしか」


『そんなことないよ。 みんな私の彼氏にしたいってくらい素敵な人だもん』


「・・・・・」


『サディストで、個性が強くて、性格が破綻してて、でも優しくて、可愛くて、不器用で・・・』


愛を知らない未熟な子供。


『そんなみんなのことが、世界で2番目に、大好きだよ』



「俺は何番目なの?」


『んっとね、なんと4番目ッ!』


「4番、4番目か。 ・・・すごく微妙で、すごく複雑」


戸惑いを含んだ声が聞こえて、私は思わずユウタさんの顔を覗きこむ。

ふいと目を逸らした彼の顔は、あきらかに拗ねて不貞腐れた子供だった。


「でも、嬉しいよ・・・。 君の一番を独り占めしてる父さんは嫌いだけど、諦める理由にならないし・・・逆に燃えてきた」


ユウタさんが、拗ねてる・・・。

いつも余裕の笑みを崩さないから、こういう表情はすごく珍しい。

これは・・・本当に酔ってるのかも。