「俺さ、酔うと凶暴な気持ちになるんた」
『凶暴って、どういう・・・?』
「腹黒になるかなあ」
『いつも微妙に腹黒だと思うけどね』
「じゃあ、もっと腹黒になる」
鮮やかな笑顔とともにささやかれて、私は反射的に身体を引いてしまう。
けど、それを許さないとばかりにユウタさんの腕が伸びてきた。
「・・・キス、してもいい?」
吐息が触れ合うくらいに、顔が近づく。
『ユウタさ、』
と思ったら、ユウタさんはこてりと私の肩に頭を預けた。
「ごめん・・・やっぱり興奮してるかも。 ちょっと横になるわ」
『わかった。 今片付けるからベッドに・・・』
立ち上がってお皿を下げようとすると、ふとユウタさんが私の足に触れて・・・。
「ん、いかないで。 傍にいて」
まるで猫のように、私の膝に擦り寄ってきた。
『豹って最も繁栄したネコ科の動物なんだよ』
「えー? 何かの謎かけ?」
『謎かけじゃないよ。 ただ、おねだりが上手だなと思ってね』
「だって、兄貴は怠け者だし兄弟のまとめ役を担ってる俺がしっかりしなきゃいけないし」
『弟だもんね、ユウタママ』
「むー・・・」
膝に触れてるユウタさんの頬が、熱い。
ふとテーブルを見ると、気付けばカクテルのボトルが空になっていた。
・・・話に夢中で気づかなかったけど、いつの間にあんなに飲んだんだろ?
でも、普段は煙草も吸うって言うし・・・やっぱり疲れてるんだろうな。
「俺さあ、本当に君だけしか見えないよ」
『・・・なに、いきなり』
「でも、うまく伝わらないっていうか・・・。 想いのシンクロ率を天秤にかけたら、俺の好きが重くて下なのが悔しい」
『そうなの・・・? 天秤にかけるどころか、ユウタさんのこと考えない日がないくらい大好きなんだけどなあ・・・』
「1人のオトコとして?」
・・・・・。
LIKEかLOVEどっち?
一緒にいて楽しい。
ドキドキする。
おまけに端正な美貌は目の保養。
機嫌が悪くなければとてもイケメン。
蜃鬼楼の歴代お姫様達に聞けば、10人中10人が彼氏にしたいと名をあげるに違いない。
でもなー、うーん・・・?
