進行


ーピッピッピッ

耳元に聞こえるのは心電図の音。
回りには白を貴重としたものばかり。
そして鼻を刺激する独特な匂い。

「生きてるんだ………」

私は生きている。
自分の手を見た。
開いたり閉じたりしながら私は室内を見回した。
酸素マスクをとろうとしたがめんどうなので取らなかった。

「………小鳥」

私の手を握っているのは、お母さんだった。
強く優しく………か弱いお母さんの手。
その手はどこかに暖かくて落ち着く。

「心配かけてばっかりでごめんね?」

辛いよね?
私かま生きててごめんね。
そしてありがとう。
こんな私のそばでずっと見守ってくれて。

ーピロリン

【クラスから新着メッセージが届いています】

クラスLINE?
そういえば何月何日?
私、まだ勉強会に一回も行けてないよ………。
提案したの私なのに。

【小鳥、また来なかった!】

【会いたいよ〜っ!!】

【最後はこいよな!】

皆は怒ったり心配したりのメッセージが綴られていた。
今回は未来のもある。

【未来:元気か?はやく来いよ】

未来………、心配してくれてるの?
君の中で私は生きているの?
そんなの困るよ………。
君の中から私が消えないとダメだよ。
振り出しに戻りたい。
君だけは失いたくないから。
だけど君と幸せになりたくない。
君と一緒にいたら離れたくなくなるから。

「………退院、できるかな」

私は未来のLINEを開いた。
着信が28件。
未読のが106件。
多いいな………。