ある日彼は私を外に連れ出した。

「何処に行くんですか」

「着いてからのお楽しみだ」

車で彼と出かけるのは久しぶりのことだった。
私の横に彼がいる、彼の横顔は相変わらずかっこいい、いつまで彼の側にいられるの?

「着いたぞ」

「教会?」

そこは以前プロポーズしてくれた教会だった。

「亜実、俺と結婚してくれ」

「何言ってるんですか」

「俺は会社の役員に再婚して後継者を残すと言う使命を課せられた、だから再婚に向けて見合いをした、十人と見合いしたが全て断られた

さすがにこのままだと後継者を残すどころか、ずっと独身なんてことになるのではないかと不安に思い始めたらしい

俺と再婚を承諾してくれる相手なら誰でもいいと言い始めた、これから俺達は見合いをする、見合いして再婚となれば文句は言わせない、だから今十一人目の女性、亜実と見合いして再婚する、なんの問題もないだろ」

「よくわかりません、だって私は離婚されたんですよ、役員の方々が許すわけありません」

「あいつらの言う相手と見合いして結婚出来ないならしょうがないってなるさ、後継者残さないと会社が潰れるからな」

「そうでしょうか、もし後継者残せなかったら、どうするんですか」

「その時考えればいい」

彼からのプロポーズはすごく嬉しい、また一緒に彼といられる、でも手放しで喜べない自分がいた
問題は山積みである。