彼が仕事から戻り食事を済ませた。
シャワーを浴びている間に、私は大胆な行動に出た、彼のベッドで彼を待ったのである。

「亜実?何処行ったんだ」

彼がベッドルームへ入ってきた。
彼のベッドにいる私を見て驚きの表情だった。

「亜実、どうしたんだ?」

「一緒に寝てもいいですか」

「あっああ」

彼はベッドに入ってきた、枕を並べて横になるのは初めてのことである。

「なんかドキドキしますね」

「そうだな」

「柊さん私、柊さんが大好きです、柊さんは?」

彼は答えに困っている様子で黙っていた。

「柊さん、こっち向いて?」

私は彼の方に身体を向けた、彼は真っ直ぐ天井を見つめたままである。

「柊さん?」

彼は大きく深呼吸をしてから、意を決したように私の方に身体を向けた。
彼と私はしばらく見つめ合った。

「亜実」

彼は私の腰に手を回し、ぎゅっと引き寄せた。
彼と私の唇が重なる、舌が絡み合う、私は「柊、愛してる」と感じてる喘ぎ声と共に言葉にした。
そして彼の頬を両手で挟み、彼を見つめた。

「柊、私をどう思ってるの?言葉にして伝えて」

そして再び彼と唇を重ねた。

彼の息が荒くなり、彼の唇が微かに動いた。

「ア・イ・シ・テ・ル」

「柊」

「亜実」

この時初めて彼が自分の気持ちを言葉で伝えた瞬間である。