「…大丈夫か?」


「え?」


真正面から聞こえたその声に、綴じていた目を開け、顔を上げると…。


そこには、月明かりでキラキラと輝く髪をした王子様が立っていました。


「立てるか?」


…はっ!!


やばい、見とれていた…。


しかもキラキラ…って、金髪だからキラキラ光って見えただけだしっ。


うぅ…恥ずかしいっ。


「おい?」


「…あっ、すみません。た、立てます」


差し出された手を掴むと、ゆっくりと引き上げられる。


…絶対顔赤いよぉ…っ。


「怪我は?」


「な、ないです」


「よかった」


そう言って、頭を優しく撫でられると…どうしたらいいのかっ。


こんな風に家族以外に撫でられたことないから…。