君の青空

「藤島くんといい感じじゃない?」


帰り道、詩織がニヤニヤした。


「そ、そんなことないっ」

「いーやあるね。藤島くんイケメンね」

「……まあ確かに」


でも性格が分からないし、と思った。

葵星くんはそーゆーのじゃない。

女の子に優しいんだ。


「結衣」


後ろから声をかけられた。

振り向くと、宝田くん。


「詩織ちゃんだよね、よろしく」

「こちらこそ」


社交性たかい。


「池井、この子がマネージャー志望の子」


と急に後ろを振り返った。

池井、と呼ばれた人は背が高くて、坊主で、目がちょっとつり目で、なんといってもそう。

葵星くんを超えるイケメン。


「池井剣介、よろしく」


低音声がかっこいい。


「と、登坂結衣です」


やばい、かっこよ。

直感が告げる。


「明日見学行く?」

「う、うん」

「じゃあまたあしただね」

「うん……明日からよろしくね」

「そうだね、よろしく」


手短に会話を終わらせた。

でも池井くんの声が耳に残った。