お城に着いた馬車を待ち受けていたのはウキウキワクワクと目を輝かせた王妃殿下だった。







私についてきてくれたラルラ、伯父様、私、という順におり待ってくれていた王妃殿下に挨拶をしようとしたが、その前に王妃殿下に抱きしめられる。






「アラマスカルフ!シャルネラ。さぁさぁ、お茶にしましょ?あなたが来るとわかっていたから、美味しいお菓子や珍しいお茶の葉を取り寄せたのよ!」




「ア、アラマスカルフ王妃殿下。お、落ち着いてくださいませ!?お茶は逃げませんし私も夏季休み中はここでお世話になりますので逃げませんよ!?」






ギュウギュウと抱きしめられる中、周りに助けを求めたが誰も手を貸してくれず。王妃殿下が満足するまで抱きしめられていた。そのあと、少し恥ずかしげに扇で口元を隠す王妃殿下に部屋を案内されてそのあと、私がお世話になる部屋でお茶をした。







「あの、王妃殿下。王妃教育とはどのようなものなのでしょう」





「あぁ!シャルネラは王妃教育を受けなくても良いのです。何せ、アベスティーナの娘ですもの。お作法もマナーも完璧ですもの。夏季休み中は私の話し相手になってくださればそれで良いのです。バカ息子は男爵のぶりっ子令嬢を城に連れ込んで遊び歩いているのですから。」






あぁ、なるほど。私は王妃教育という名の愚痴を聞けばよろしいのですね?でも、王太子よ。それでいいのか。婚約やらなんやらで目立っているというのに、他の令嬢と遊び回って……よからぬ話が広がって自分の地位が危なくなるぞ?







なんて思いながらもオホホ……ウフフ……と、王妃殿下の話を聞いていた。