「葵唯」

ードクンッ。

いま……私の名前……。

どんどんどんどん大きくなっていく鼓動。

こんな状況でなんで急に名前なんて……。

私は彼のまっすぐな瞳から、縫いとめられたように体が微動だにしない。

目が離せない……。

息をするのさえ忘れてしまう。

そうなってしまうほど──────────





「お前に初めての仕事を与える」





──────────私は大和先輩に心を奪われていた。