なんとなく気分が乗らない原因はちゃんと分かってる……。

私はそっと、通路を挟んで斜め前に座る横顔を見つめた。

艷めく黒髪に、長いまつ毛、キレイすぎるEライン。

たまに聞こえる楽しそうな笑い声に、私は敏感に反応して思わず目を向けてしまう。

……大和先輩──────────

生徒会室でのあの光景を見てしまってから、ずっとモヤモヤしっぱなしな私。

その上、あれから大和先輩とは1回も話をしていない……。

……ただ単に、話す話題がなかったってゆうのもあるけど。

それだけじゃなく、大和先輩と目が合えばすぐに逸らしたり、大和先輩が部室に入ってきたらすぐに出たり……。

明らかに大和先輩に対して挙動不審な行動を取ってしまっている私。