いつも、ずっと。

瀬名という邪魔者がいなくなって、告白の仕切り直しをしようとしたけど……。

明日美の案内によって、休日当番の整形外科へ行くはめになった。



携帯でネット検索してもらうと、駅前から近い距離にある病院だったから徒歩で移動。



「痛か?やっぱり痛かったやろ?」



大丈夫だって何回も言ってるのに、納得していないようだ。

俺が明日美を傷つけたのに比べれば、こんなの大したことじゃない。






「背中で階段をずり落ちた?ありゃりゃりゃそりゃ痛かったやろうばい!どら……ああ擦り傷は消毒して薬ば塗っとこうか。骨は、レントゲンば撮るね?」



「いや、そこまでせんでも」

「はい!お願いします先生!」



結局、明日美に押しきられてレントゲンも撮られた。



「骨は、大丈夫やね。擦り傷と打撲で全治二週間ってとこかな」



まあ、背骨に異常がなかっただけでも良かったのか。

歩道橋から落ちたといえば大事のようだけど、階段の途中にある踊り場からだったし。

高さはそんなにはなかったんだもんな。



「骨折れてなくて良かったね!帰りの運転は大丈夫かな……」



「心配要らんって。さ、帰ろう」







「ねぇ友也、背中は大丈夫?運転つらくない?」



さっきから心配してくれるのはありがたいけど。

普通にしてるぶんには痛みもさほど感じないから大丈夫だって言ってるのに。



「明日美は運転できんやろ。俺の体はそがんヤワじゃなかけん、運転くらい任しとけって。そいにしても……嘘と分かっとっても嫌なもんやな。明日美が瀬名と付き合うとか」



「だっ、だっ、だって!私だって嫌やったとやけんね!友也と未来のこと、私は嘘って分からんかったけどさ……」



そうだ。

俺に明日美を責める資格なんてない。

青柳さんとの契約についてきちんと説明責任を果たす心づもりはあるけれど、今は運転中。

そんな片手間にできる話じゃない。



「家に帰ったら、明日美の聞きたかこと全部話すけん。さっきの俺の告白もまだ途中やったし。今夜はうちの父ちゃんと母ちゃん帰ってこんし。二人とも福岡に泊まりで行っとるけん」



『福岡』と聞いた明日美がビクッと体を震わせた。

まだ俺が知らないと思っているんだろうな。

明日美の出張が佐世保ではなく福岡だったということ。

こうして無事に俺の元に帰ってきてくれたんだから、いいけど。