雛菊は派手なものを好まなかったため、明るい色の装飾品は自身で買ったことがなかった。
夫婦になってからあちこち遊びに行くようになって天満が雛菊に贈ったものがほとんどで、性格こそ穏やかだった雛菊だが顔はとても可愛らしかったので、橙や桃色といった可愛らしい色のものを贈ることが多かった。
「わあ、これ可愛いねっ」
「その帯飾りは雛ちゃんの親の形見と同じ色だったからよく使ってくれてたやつなんだ。ほら、これと同じ色」
天満は左耳に髪をかけて真っ赤な紅玉の耳飾りを暁に見せた。
これは雛菊の親――そして雛菊の遺品であり、天満が片方を引き継いで残したもの。
そんな事情を知らなかった暁は、帯飾りをきゅっと胸に抱いて目を閉じた。
「私、これがいい。天ちゃんのと同じ色。お嫁さんのと同じ色」
「うん、ありがとう。他のも選んでいいよ。なんなら全部あげようか」
「ううん!天ちゃんのお嫁さんとまた出会った時に要るでしょ?私、これだけでいい」
にこーっと笑った暁の頭を撫でた天満は、早速帯飾りを身に着けてくれた暁の長い髪を櫛で梳かして結ってやると、宿屋に行って雛菊を紹介した。
素顔こそ晒さなかったものの、従業員たちは暁が何者であるか薄々察していて丁寧に頭を下げ、言葉を選びながら話をしていた。
「天ちゃん、この後はどうするの?」
「君がすぐ帰りたいなら幽玄町に帰ってもいいけど」
「じゃあもう一日居よ!畑の草むしりしなきゃ。天ちゃんももっと居たいでしょ?ねっ?」
暁としては大好きな天満とゆっくりふたりきりで過ごす時など今までなく、貴重な機会だと感じて必死になって天満にまとわりついた。
「じゃあそうしようか。朔兄に式神を飛ばしておこう」
「やったあ!ぽんちゃん畑の草沢山食べてね!」
「合点でさあ!」
天満ははしゃぎまくる暁の笑顔に癒されながら、手を繋いで家路についた。
夫婦になってからあちこち遊びに行くようになって天満が雛菊に贈ったものがほとんどで、性格こそ穏やかだった雛菊だが顔はとても可愛らしかったので、橙や桃色といった可愛らしい色のものを贈ることが多かった。
「わあ、これ可愛いねっ」
「その帯飾りは雛ちゃんの親の形見と同じ色だったからよく使ってくれてたやつなんだ。ほら、これと同じ色」
天満は左耳に髪をかけて真っ赤な紅玉の耳飾りを暁に見せた。
これは雛菊の親――そして雛菊の遺品であり、天満が片方を引き継いで残したもの。
そんな事情を知らなかった暁は、帯飾りをきゅっと胸に抱いて目を閉じた。
「私、これがいい。天ちゃんのと同じ色。お嫁さんのと同じ色」
「うん、ありがとう。他のも選んでいいよ。なんなら全部あげようか」
「ううん!天ちゃんのお嫁さんとまた出会った時に要るでしょ?私、これだけでいい」
にこーっと笑った暁の頭を撫でた天満は、早速帯飾りを身に着けてくれた暁の長い髪を櫛で梳かして結ってやると、宿屋に行って雛菊を紹介した。
素顔こそ晒さなかったものの、従業員たちは暁が何者であるか薄々察していて丁寧に頭を下げ、言葉を選びながら話をしていた。
「天ちゃん、この後はどうするの?」
「君がすぐ帰りたいなら幽玄町に帰ってもいいけど」
「じゃあもう一日居よ!畑の草むしりしなきゃ。天ちゃんももっと居たいでしょ?ねっ?」
暁としては大好きな天満とゆっくりふたりきりで過ごす時など今までなく、貴重な機会だと感じて必死になって天満にまとわりついた。
「じゃあそうしようか。朔兄に式神を飛ばしておこう」
「やったあ!ぽんちゃん畑の草沢山食べてね!」
「合点でさあ!」
天満ははしゃぎまくる暁の笑顔に癒されながら、手を繋いで家路についた。

