「ふーんだ。
私は許さないから。…でも、翼のこと大好きだよ。今も、この先も、多分」
あはっと微笑む梨沙に。
「じゃあ、な。梨沙」
別れることに、もう後悔はない。
それは、梨沙にとっても俺にとっても大切な人から離れる大きな節目で。
一生、忘れることはないと思う。
「はーい、ばいばい翼」
こんな時にだって、いつもの調子を崩さない梨沙に。
心の中で、ありがとう、と呟く。
俺は、梨沙に会えてよかった。
梨沙が、この先俺を恨んで生きていても、戻ってきても。
この想いは曲げることはしない、絶対に。
たとえ、もう一度、会うことになったとしても…。