「梨沙は、何も悪くないんだ…。
そんなこと言ったって、許してもらえる立場じゃないってことは充分にわかってる


だけど、梨沙。
……もう終わりにしよう」



梨沙だって、これから俺といて幸せになれる確信なんかないから。


でも、そうやって梨沙と離れることで罪を和らげようとしている俺が、自分自身が嫌になる。


だからこそ、梨沙には俺なんかよりも良い奴がいるはずなんだ。



こんな後悔ばかりの引きずった男なんかよりも。




「……。
そっかー、そうだよね!でも、だからと言って私のこと忘れたらただじゃおかないよ?
絶対にまた会いに行ってあげるんだから」



表情を歪ませて、泣くのを堪える梨沙が愛しくて。

でも、抱きしめることなんか出来なくて。



「梨沙、
今まで、俺なんかと一緒にいてくれてありがとう」



最後くらいは誠心誠意をもって感謝を伝えたい。