「ぇえ、翼?!
さっきの私の話、聞いてたの?どうなっても良いの?!」



もう、こうなってしまったらダメだ。



修復できないところまで来てしまったんだ、俺たちは。



「…ああ。

俺の中で、梨沙は…小さい頃からずっと見てきてこうなるなんて考えたくもないくらいに大切な存在で。…大好きだからこそ、俺たちは距離を置いたほうが良いんだ」



離れるなんて、もう何年も前から一緒にいた人だから辛いし、とてつもなく、寂しい。



けど。


俺のせいで、俺のせいで梨沙に悪影響を及ぼしてしまうようなら。



梨沙には俺は必要ない。




「ごめん、俺のせいだよな。
こうなってしまったのも、こうやって梨沙を泣かしてしまっているのも」



全部全部わかってる。


大好きなのに、大好きだからこそ愛情表現が出来なくて、不安にさせてしまったから。


梨沙に、何度と悲しませたことか。