「今日、一緒に帰れるの?」



梨沙は、ほんとに優しくて、思いやりがあって、自慢の彼女だった。



…なのに。



「あ、ごめん。
今日は、璃玖たちと寄り道したいから」



なぜか、歯車が、噛み合わなくなっていた。



「そこに女の子はひとりもいない?
私のことを1番に想ってくれてるよね…?」


いつしか、不安を口にするようになり。



「いないって。
大丈夫だから。梨沙のこと、好きに決まってる」



感情を込められなくなっていった。



「明日は、絶対に帰ろうね!」



それでも、梨沙のことを好きなのには変わりがなかったし、手放したくなかった。



「…わかった」



でも、どんどん俺に依存していく梨紗から、遠ざかるようになっていった。