「なんで…?なんで…」
取り乱し始めた梨紗さんを見て。
翼くんは席を立った。
「…ごめん、音羽。ここじゃ目立つから、外でちょっと話してくる」
心からすまなさそうにそう言う翼くんにわがままなんて言えるはずないから。
「…はい!わたしは全然大丈夫ですので、ゆっくり話してきてください!」
このオムライスをふたりで食べられないのは、正直悲しいけど。
翼くんには、後悔して欲しくないから。
「ありがとう、音羽」
まさか、よりを戻したりしないよね…?
翼くんが梨紗さんを引き連れて出ていった後、ひとりで考える。
でも…。
わたしは、翼くんの彼女でもないから。



