梨紗さんと喋るのには緊張する。



ずっと見られてる気がして、ちょっと恐れ多い。



「ふ〜ん。
…にしても、仲良いように見えるけど?」



上目遣いで翼くんを見つめる梨紗さんに。


翼くんは「梨紗には関係ないだろ」と一喝した。


「ってか、なんでバイトなんかしてるわけ?」

翼くんがそう尋ねると。


「社会勉強的な?パパが提案してきたのよ」


と梨紗さんは答えた。



「……そ、仕事中なんだから早く戻れば」



異様に冷たい翼くんに少し戸惑っちゃう。



でも梨紗さんはそんなの気にせず、「ふふ、わかったわ〜」と翼くんから遠のいた。



「お邪魔したわね〜」




フラフラと手を振って、仕事に戻っていった梨紗さん。



この人…。
わたしなんかよりマイペースじゃなかろうか。