「む、胸は?胸に腫瘍は?」

戸惑っている石川翠に、藍は首を横に振った。

「腫瘍は見つかりませんでした」

石川翠は落胆したのか、ソファにドサリと座り込み頭を抱える。

「……そんな……」

藍はその様子を、胸を痛めながら見つめることしかできなかった。