たどり着いた我が家の駐車スペースに停めてもらって、お祖母ちゃんをしっかりと家に送り届けてから私と高峰さんの二度目のデートがスタートした。

「今回は大人がターゲットの遊園地の方に行こうと思うんだけれど、夏乃ちゃんは行ったことある?」

車が走り出して高速に乗った頃に聞かれて、私は答える。

「二回かな? 私の親友がこのテーマパークが大好きで付き合ってよく行っていたの。お互い就職してからはかなり回数が減っちゃって、ここ二年くらいは行ってないから、久しぶりで楽しみにしてたんです」

私の回答にホッとした顔をして高峰さんが笑った。

「良かった。最近行ってたらどうしようかなと思ってたから。俺は今日行く方は初めてだから、乗りたい物とか見たい物の所にどんどん連れて行ってくれると嬉しい。夏乃ちゃんの好きな物が知りたいから」

運転しながらも、にこやかに告げてきた発言はもはやパーフェクト。
デキる男って行動も言葉までもが、こんなにすごいの?
私は恋愛初心者なのに……。 こんな猛攻に受け答えする術は持ってないよ!?

どうしたものか、本当に好きに回ってしまっていいのだろうか? 思わず黙り込んでしまった私に高峰さんはチラッと横目で私を見ると、スクリと笑って言った。

「夏乃ちゃんが好きなように回って? 俺はそんな楽しんでくれる夏乃ちゃんが見たくて今回の場所を選んだんだから」

もう、撃沈させられたのは言うまでもない。
私は顔の暑さを誤魔化すように窓の外を見ながら返事を返した。

「分かりました。では、上手く回れるように調べます!」

そう言うと、私は自身のスマホを取り出してさっそく遊園地の現状況等を調べ始めたのだった。
スマホにかじりつくという、ちょっと失礼な状態だがスムーズに遊園地を巡るため私は熱心にスマホを操作する。
そんな私を高峰さんは、微笑ましげにしつつ丁寧な運転で遊園地へと向かってくれた。