あまりのにこやかさに、私は言葉も返せずコクコクと首を縦に振るなり和美にサックリと連行されたのだった。
どうやら、和美の中では目星の店舗と商品が決まっているようでその足取りには迷いがなく、最短距離で一店舗目に到着するなり、ワンピースを宛てがわれて、即決。
二店舗目ではタイツやソックスを、三店舗目ではスカートやシャツを、四店舗目では可愛いサンダルをGETして、五店舗目で私は初めて拒否を見せるも和美の一言で入店する。

「最近、新しい下着買ったの? セットアップの可愛いのとか、キレイめのやつ」

その問いかけに、私はノーと答えると和美はこう言い出した。

「明日はまだしも、今後絶対必要だから! 勝負下着は自分の気分も上げるから、買って損なし!」

その一言は間違ってはいないので、疲れていた私は頷いて入店した。

そこは和美の会社の子会社のアンダーウェアのショップ。
お手ごろ価格で、可愛い上下が揃うと話題によく上がるし、機能性も抜群で十代から二十代にまで人気のショップだ。

そこで、ちょっとカワイイ系とセクシー系の二種類をお買い上げ。最後の最後でげっそりと疲れたのだった。

いつの間にやら、ショップバックは沢山で両手に荷物を抱えつつ、ショッピングモール内のレストラン街に行く。

今回、ここに来たのは買い物兼パンケーキを食べるため。
ここには私の好きなパンケーキ屋さんがレストラン街に出店している為、ここに来たのもある。

「こんなに一気に買い物したの久しぶりだわ……」

疲れも露にいえば、和美はケロッとしたものでアイスティーを飲みつつにこやかに言う。

「こんなのまだまだ優しいでしょ? 普段私なら、一人で午後もこのまま買い物続行よ?」

ほんと、和美は服が好きだから楽しいだろうけれど、あまり着飾らないし、カジュアルで日々十分だった私にはなかなかの重労働でしかなかった。

「午後は、ゆっくり見て回ろうよ。私、気になるものがあるんだ」

「午前中は着せ変えで疲れたけれど、私の買い物がメインだったからね。パンケーキで元気補充できるから、午後は和美の買い物に付き合うよ」

「そう来なくっちゃ! たまには甘味だけじゃなく出かけないとね」

そんな会話をしつつ、提供されたのはクリームたっぷりのスフレパンケーキとミックスベリーにクリームたっぷりのスフレパンケーキが運ばれて来た。

まずは無言でお互いに眺めてスマホで写真を撮る。
盛りつけなんかも私には参考になるので毎回写真を撮ってから食べる癖がついている。
初めの頃はそんな私に職業病だなんて笑っていたけれど、和美もインスタを始めてからは撮るようになった。
私はその辺疎いので、やっていないので純粋に自分の仕事の参考なんだけれど。

「さ、食べようか!」

「いただきます!」

二人してふわふわのパンケーキにナイフを入れて切って一口サイズにするとクリームをつけて口に運ぶ。

「おいしいぃ!」

二人して顔を見合わせてニッコリ。
柔らかくて甘いパンケーキはあっという間に二人の胃袋へと収まったのだった。