キミの目に映る世界を

「夕姫ちゃん、初めまして、君の担当医になった新堂青人です。」
この人が私の担当医…?
新堂先生は少し幼い雰囲気だけど、声は意外と低めで、しっかりとしていてまじめそうだ。
ペコッと私は軽く頭を下げる。
「起きて早々だけど、これから何か後遺症とかがないか、検査するからね。」
後遺症…
やっぱり、記憶が無いのって後遺症のせい?
検査するのがこわい。
だって、記憶喪失だなんて言われたら、またお母さんがどんな気持ちになるのかなんて、もう分かりきってるから。
私って一体、
どうなっちゃったんですか、先生…?
「せ、先生っ!声の事って…」
お母さんが心配そうな顔で先生を見つめる。
きっと、私が眠っている間、新堂先生は一生懸命治療に専念してくれてたんだな…
お母さんが男の人をこんなにも信頼しているなんて、珍しいもん。
私は、お母さんが1歩前へ進んでくれた気がして、少し嬉しかった。
「声は…検査をして、その後詳しく説明しますね」