「声我慢したらいーじゃん」


「や、やです……っ」


「あー、でも杞羽チャンは感じやすいから声抑えられないもんね」


「うっ……、そんなこと口にしないでください…」



先輩の攻め方がずるいんだもん。
わざと声出させるように、弱いところばっかり攻めてくるから。



「……杞羽は俺なしじゃダメになっちゃったんだ?」


先輩の腕の中で、コクッと首を縦に振る。



「……じゃあ、俺のお嫁さんになるしかないね」


「へ……っ、なんですかいきなり」


「母さんが杞羽みたいな娘が欲しいって」


「そ、それは嬉しいですね」



なんか突然プロポーズまがいみたいなことされたせいで、変にドキドキしちゃう。



「……春瀬杞羽ってかわいーじゃん」


「っ……!?」



またそうやって、わたしの心拍数をドンッと一気に上げるんだから、ずるい━━━━。