「ちゃんと呼んでくれないと襲っちゃいますよ、杞羽チャン」


もう身体を支える腕の力が限界。

支えられなくなって、そのまま先輩の身体の上に倒れてしまった。



「うぅ、もうやだ……っ。年上なのに大人げないです……っ!」


ちょっとは優しくしてくれてもいいのに。



「ほんと可愛いね杞羽チャン」


「ま、またそうやってからかってばっかり」


先輩の可愛いって本気にしていいのかわかんない。


ただ気まぐれで言ってるだけみたいなところありそうだもん。



「まあ……今回はこれくらいにしといてあげる」


まるで、今回は手加減してあげたけどねみたいな顔で見てくる。



「……いつか呼ばせるつもりだけどね」


「ぅ……まだ呼べない、です」


いつかちゃんと、先輩じゃなくて暁生って呼べる日が来たらいいな…ってこっそり思ったのは内緒。