カメレオン王子と一人ぼっちの小鳥ちゃん


 私は、この礼音くんの手が大好き。


 頭をなでてくれて


 髪を編んでくれて


 私を幸せな未来に連れて行ってくれる
 この優しい手。



 私は自分の人生を振り返ると
 逃げてばかりだった。


 見たくないことがあると
 分厚いレンズのメガネと長い前髪で
 見ないようにしていた。


 傷つきたくないと
 友達を作らず独りぼっちでいた。


 クラスメイトが信じられなくなったら
 転校までしてその場から逃げていた。


 でも
 あの時の自分は褒めてあげたい。


 礼音くんの働いている美容院に
 電話をした自分を。


 自分の気持ちの正直に、行動した自分を。


 
 私はこれから
 礼音くんの手を離さないように
 生きていきたい。

 こんなに大好きになれる人は
 レオンくんの他に、
 この世には絶対にいないと思うから。

 私は礼音くんの
 瞳をまっすぐに見つめて微笑んだ。


「礼音くん、ずっとずっと一緒にいてね」

 
             ☆END☆