カメレオン王子と一人ぼっちの小鳥ちゃん


◇◇◇

 今日はめずらしく、
 礼音くんも私もお仕事がお休み。


 お互い忙しくて、
 ずっとデートに行けていなかったから、
 この日をすっごく楽しみにしていました。


「琴梨、今日は、水族館でいいんだよな?」


「うん。
 ハリセンボンに会いたいんだ。
 口元が笑っている感じで、
 すっごくかわいいんだよ。」


「琴梨はさ、今日、どんなコーデで行く?」


「どうしよう……
 水族館って言ったら、イメージは青かな。」


「じゃ、俺さ、
 スカイブルーのライトジャケットに、
 白いパンツで行くよ。

 琴梨は、白いカーディガンに
 水色のスカートな。」


「うん。」


「でさ、高校の時に琴梨にあげた
 ヘアピンつけて行けよ。
 後で俺が、ヘアアレンジしてやるから。
 俺も、琴梨とお揃いで、ピンつけてこうっと。」


「礼音くん……
 なんでお揃いがいいの?」


「え?嫌?」


「全然そんなんじゃなくて……
 むしろ嬉しいけど……

 男の人は、そういうの拒否する人が多いって、
 この前雑誌に書いてあったから……」


「だってさ、
 お揃いの物を身につけるって嬉しくない?
 それに、『琴梨は俺の物』って、
 みんなにアピールできるし。」


「美容院のお客さんにも、
 見られちゃうかもしれないよ。
 恥ずかしくないの?」


「恥ずかしい?なんで?
 琴梨のこと大好きって、
 お客さんみんな知ってるけど。
 
 だから今日は、俺の手離すなよ。
 ずっと繋いでるからな。琴梨の手。」


「うん。」