カメレオン王子と一人ぼっちの小鳥ちゃん


☆琴梨side☆


「琴梨、
 図書館で渡した指輪、出して。」


 私は隣に置いてあったカバンから、
 薄ピンクの箱を取り出して、
 礼音くんに渡した。


 礼音くんは立ち上がると、
 私の後ろに座った。


 礼音くんの太ももの間に、
 私がすっぽり入っていて、
 まるで礼音くんが温かい毛布のように、
 後ろから私を包み込んでくれた。


「琴梨、左手出して。」


 私の耳元でささやく礼音くんの甘い声が、
 私の神経をゾワゾワふるわせる。


 礼音くんは、私の手の甲を優しくなでると、
 左手の薬指に、
 指輪をスーッと入れてくれた。


「これで完全に、
 琴梨は俺だけのものな。」


 私の肩に乗っている礼音くんの顔。


 近すぎて……
 まともに見れない……


 猛スピードで動く私の心臓の音……
 礼音くんに聞こえちゃいそう……



「琴梨……
 俺の方を見て……」

 礼音くんの甘い声にドキッとして、
 私を後ろから抱きしめてくれている、
 礼音くんの方に顔を向けた。


 礼音くんの頬に、
 私の頬が触れた。


 礼音くんの手のひらで、
 強引に顔を引き寄せられ、
 礼音くんは私の唇を、
 自分の唇でそっとふさいだ。


 ゆっくりと、唇が離れていく。


「もう一回……して欲しい……」


 恥ずかしい言葉が、口から出てしまって、
 私は顔が真っ赤になった。


「素直な琴梨も、すっげーかわいい。」


 礼音くんはそう言うと、
 もう一度私に、口づけをしてくれた。