カメレオン王子と一人ぼっちの小鳥ちゃん


 結局、お姫様抱っこの琴梨を、
 リビングのソファに座らせた。


「琴梨、この部屋なんだけどさ……」


「勝手に飾ってごめんなさい……
 驚かせたいなって思っちゃって……」


「さすがに驚いた。」


「お祝いしたいなって思って。」


「お祝い?」


「今日で……付き合って……

 1ヶ月だから……

 でもね、お祝いって言っても……
 礼音くんも美容院の帰りが遅いのは
 わかっていたし、
 『おめでとう』って言うだけだったの。

 それなのに私……
 礼音くんが帰ってくる前に……寝ちゃって……」


「この飾りって、琴梨が作ったんだよな?」


「うん。会社が終わって、
 礼音くんが帰ってくるのを待ちながら、
 いつも作っていたよ。」

「これだけ作るの、大変だっただろ?」


「そんなことないよ。
 礼音くんのこと考えなが作っていたから、
 逆に幸せだったし。」


 俺の瞳に映る琴梨の笑顔が、
 サクランボのようにかわいくて、
 今すぐ食べてしまいたいほどだった。