カメレオン王子と一人ぼっちの小鳥ちゃん


 おしり辺りまで長かった髪は、
 鎖骨くらいになり、
 長かった前髪も、
 瞳の少し上あたりになっていた。


「琴梨、どう?」


「すごくいい……
 礼音くん……ありがとう……」


「じゃあ、店長もいないし、
 琴梨の髪、アレンジしてやるから。」


 礼音くんはそう言いながら、
 私の髪にワックスをもみこみ、
 慣れた手つきで編み込んでいった。


「はい。出来上がり。
 どう?」


 鏡を見ると、右側の耳の上の髪を、
 編んでくれてあった。


「え?
 この……ヘアピンって……」


「お前さ、俺があげたヘアピン、
 勝手に美咲の髪につけるなよ。
 美咲にあげたと思ったじゃん。」


 あ……美咲さん……


 礼音くんの口から、
 聞きたくない名前……


 今も……
 付き合っているのかな……



「礼音くん……
 美咲さんは……元気?」


「は?知らないし。
 お前が転校してすぐに別れた。

 しかも、お前の絵本ビリビリにしたのも、
 美咲だったしさ。」


「そうだったんだ。」


 本当は知りたい……


 礼音くん、今は彼女はいる?

 私のこと、どう思っている?


「そのヘアピンは、お前にあげたものだからな。
 返されても困るからな。」


「あ……ありがとう。」


そして私は、お会計を済ませた。


どうしよう……

これで、礼音くんとバイバイになっちゃう……