◇◇◇
美容院の前に着いた。
でも……
ドアを開けて、
中に入る勇気が出てきてくれない。
私がドアの前で、
うつむきながら親指の腹で爪をこすっていると、
ゆっくりとドアが開いた。
「琴梨……
久しぶり……」
陽だまりのような
あたたかい笑顔を見せてくれたのは
ずっと会いたかった、礼音くんだった。
礼音くん、大人っぽくなってる。
相変わらず……
カッコイイ……
「どうぞ、入って。」
礼音くんは私のバックを預かると、
席に案内してくれた。
私からカットをお願いしたのに、
緊張して言葉が出てきてくれない。
私はうつむいたまま、
席に座っていた。
「琴梨、すっげー髪、伸びたな。
お尻の下まである。」
「うん……
陽介さんに切ってもらってから……
カットしていないから……」
どんな顔をしていればいいかわからず、
私は下をむいたまま答えた。
「琴梨、鏡を見て。」
礼音くんの言葉に、
ドクンと弾む心臓。
私がゆっくり顔を上げて鏡を見ると、
私の後ろに立っている礼音くんの瞳が、
鏡を通してまっすぐ私を見つめていた。
恥ずかしすぎて、
礼音くんの顔を見ていられない。
私はまた、下を向いてしまった。
「琴梨……
俺のこと……
嫌い?」
え?
思ってもいない言葉に、顔を上げると、
鏡に映った礼音くんは、
悲しそうな目をしていた。
「嫌いじゃ……ないよ……」
私がモジモジしながら言うと、
太陽のような眩しい笑顔で
礼音くんが言った。
「良かった。」
今の笑顔って……どういうこと?
俺のこと嫌いって……なんで聞いたの?
私は礼音くんの思いを聞く勇気もなく、
自分の思いを伝える勇気もない。
「琴梨さ、どんな髪型にする?」
どうしよう……
どうしよう……
礼音くんに会いたいだけだったから、
どんな髪型がいいかなんて考えてなかった。
なんて言っていいかわからなくて、
私はまた、爪を指の腹でこすっていた。
「琴梨さ、その癖、変わってないな。」
「え?」
「緊張すると、指で爪をこするだろ?
じゃ、俺に任せてもらってもいい?
琴梨のこと、可愛くしてやるから。」
「うん。」
私は、礼音くんにお任せで、
髪を切ってもらうことにした。
美容院の前に着いた。
でも……
ドアを開けて、
中に入る勇気が出てきてくれない。
私がドアの前で、
うつむきながら親指の腹で爪をこすっていると、
ゆっくりとドアが開いた。
「琴梨……
久しぶり……」
陽だまりのような
あたたかい笑顔を見せてくれたのは
ずっと会いたかった、礼音くんだった。
礼音くん、大人っぽくなってる。
相変わらず……
カッコイイ……
「どうぞ、入って。」
礼音くんは私のバックを預かると、
席に案内してくれた。
私からカットをお願いしたのに、
緊張して言葉が出てきてくれない。
私はうつむいたまま、
席に座っていた。
「琴梨、すっげー髪、伸びたな。
お尻の下まである。」
「うん……
陽介さんに切ってもらってから……
カットしていないから……」
どんな顔をしていればいいかわからず、
私は下をむいたまま答えた。
「琴梨、鏡を見て。」
礼音くんの言葉に、
ドクンと弾む心臓。
私がゆっくり顔を上げて鏡を見ると、
私の後ろに立っている礼音くんの瞳が、
鏡を通してまっすぐ私を見つめていた。
恥ずかしすぎて、
礼音くんの顔を見ていられない。
私はまた、下を向いてしまった。
「琴梨……
俺のこと……
嫌い?」
え?
思ってもいない言葉に、顔を上げると、
鏡に映った礼音くんは、
悲しそうな目をしていた。
「嫌いじゃ……ないよ……」
私がモジモジしながら言うと、
太陽のような眩しい笑顔で
礼音くんが言った。
「良かった。」
今の笑顔って……どういうこと?
俺のこと嫌いって……なんで聞いたの?
私は礼音くんの思いを聞く勇気もなく、
自分の思いを伝える勇気もない。
「琴梨さ、どんな髪型にする?」
どうしよう……
どうしよう……
礼音くんに会いたいだけだったから、
どんな髪型がいいかなんて考えてなかった。
なんて言っていいかわからなくて、
私はまた、爪を指の腹でこすっていた。
「琴梨さ、その癖、変わってないな。」
「え?」
「緊張すると、指で爪をこするだろ?
じゃ、俺に任せてもらってもいい?
琴梨のこと、可愛くしてやるから。」
「うん。」
私は、礼音くんにお任せで、
髪を切ってもらうことにした。



