カメレオン王子と一人ぼっちの小鳥ちゃん


 ☆琴梨side☆

 すっごく……緊張した……


 高2で、
 礼音くんの前から消えてもう6年。
 

 私の中で、
 いろいろな物が変わっていったのに、
 一つだけ変わらなかった物。


 それは……


 『礼音くんが好き』だという思いだった。



 礼音くんは、
 今でも美咲ちゃんと付き合っているのかな?


 それとも別れて、
 別の人と付き合っているのかな?


 礼音くんのことを考えると、
 胸が苦しくなる。


 会いたくて会いたくてしょうがないけれど、
 礼音くんに会うのが怖い自分がいる。



 6年前の高2。


 私は礼音くんに何も言わずに、
 あの高校から姿を消した。


 しかもあの日、
 小6の時に、親友を裏切ったことが、
 礼音くんにも知られてしまった。


 きっと私に、幻滅したんだろうな……


 もう私なんかのことは、
 なんとも思っていないんだろうな……


 礼音くんへの恋心を、
 手放そう手放そうと思いながら
 6年も生きてきた。

 でも、
 たまたま開いた美容院紹介のネットページに、
 礼音くんの名前が載っていた。


 そのページを見たとたん、
 会いたい気持ちが
 抑えきれなくなってしまった。


 気づいた時には、
 携帯を耳に当て、
 礼音くんの働く美容院に、電話をかけていた。