カメレオン王子と一人ぼっちの小鳥ちゃん


 私は急に立ち上がると、
 急いで自分の机の中をのぞいた。


 嘘……だよね……

 信じられない……

 どうしてこんなことに……


 中に入っていたものを取り出し、
 机の上に置く。


 ビリビリに……なっている……

 
 私の宝物……

 
 お父さんとの思い出が詰まった
 大切な絵本……


 私はまた、
 流れはじめた涙をとめることができず、
 破られ丸められた紙を、
 一枚一枚伸ばしながら、
 自分のかばんの中に入れた。


「八夜、なにそれ?」


「ごみを机の中に入れとくのは、
 どうかと思うよ。な。」


「ああ。ごみはゴミ箱だろ。」


 アハハハハと、
 みんなは私をバカにするように笑っている。


 私は黙っていられなくなり、
 ぽそりとつぶやいた。


「ゴミなんかじゃ……ない……」


「は?なんて言った?」


「この絵本は、お父さんとの思い出が詰まった、
 大事な絵本だったんだから!!」



 私はクラス中に響き渡るような
 大きな声を張り上げると、
 かばんを抱えて、教室を飛び出した。