カメレオン王子と一人ぼっちの小鳥ちゃん

◇◇◇

 今日の授業が終わり、
 琴梨はせっせと
 かばんに荷物を詰め込んでいる。

 
 琴梨は今から、
 告白の返事を、開都にするんだろうか?



 俺には美咲がいる。

 俺には美咲がいる。



 心の中で何度も何度も唱えて、
 俺は心から琴梨を排除しようとしているときに、
 俺の隣にいた美咲が、
 帰ろうとする琴梨に話しかけた。


「琴梨、どうするの?」


「え?」


「今から、あの1年の子と帰るんでしょ?

 告白の返事。
 OKするんだよね?」


 俺も気になって、
 美咲の隣で琴梨を見つめた。


「断ろうと思っているよ。」


「なんで?
 あの1年の子、女子に人気だよ。
 かわいい顔してるし、もったいないって。

 もしかして琴梨、
 他に好きな人がいるの?」


 美咲の質問に、目を見開いた琴梨。


 俺は何も考えず、
 口から言葉が出てしまった。



「だれ?」



「え?」


 戸惑う琴梨。


「そうよ、琴梨。
 好きな人がいるなら教えなさいよ。
 親友でしょ。」


 美咲の言葉に、
 悲しい表情をした琴梨が、
 うつむきながら言った。



「私の前でだけ……

 俺様キャラの人……」



 え?



 今のって……

 俺のことじゃ……ないよな?



「そんな人いる?
 もしかして、アニメキャラ?

 琴梨、アニオタの桃と奈那と最近仲がいいから、
 アニメキャラを好きになっちゃったとか?

 大丈夫?
 それって結構、痛い子ちゃんだよ。」


「痛い子でいいよ。
 それじゃ、私、行くね。

 明日の映画、二人で楽しんできてね。」


 琴梨は、作り笑顔を俺たちに向けると、
 ドアから飛び出して行った。