カメレオン王子と一人ぼっちの小鳥ちゃん


◇◇◇

「ねえ、琴梨。
 相談にのって欲しいことがあるんだけど……」


 私に相談?


 友達に相談されるなんて、
 小学生の時以来。
 

 美咲ちゃんが私のことを、
 本当の友だちって思って、
 信頼してくれているようで、
 すごく嬉しい。


「相談って、なに?」


「実は私ね……

 礼音くんが好きなの。」


 想像もしていなかった美咲ちゃんの言葉に、
 固まってしまった。


「協力してくれない?」


「協力って言っても……
 私……花名くんと仲良くないし……」


「うそ……だよね?」


「え?」


「私見たもん。
 琴梨が礼音くんと二人で、
 公園で話しているところ……」



 見られて……いたんだ……



「もしかして琴梨、
 礼音くんのこと、好きなの?」


「好きじゃないよ。
 全然好きじゃない。」


「じゃあ、協力してくれるよね。
 私たち、親友だもんね。」


「……うん。」



 まさか美咲ちゃんが、
 礼音君のことを好きだなんて思わなかった。


 もしかして、
 美咲ちゃんが私と友達になってくれたのって、
 礼音くんと付き合うため?


 でも……
 今はそんなことはどうでもいい。


 美咲ちゃんが友達になってくれて、
 教室で私の居場所ができた。


 私はこの居場所を、絶対になくしたくない。


 礼音くんが美咲ちゃんと
 付き合うことになっても、
 美咲ちゃんが隣にいてくれればそれでいい。


 でも……


 でも……


 本当は……


 礼音くんと美咲ちゃんが
 付き合ってほしくないな……



 そんな自分の思いを殻に閉じ込め、
 心の奥に封印して、
 私は礼音くん宛に手紙を書いた。