カメレオン王子と一人ぼっちの小鳥ちゃん


 放課後、誰にも見つからないように、
 こっそり読みきかせ部の部室の前に来た。


 今は使われていない部室。


 ここには、
 図書室の中を通らないと来られない。

 でも、
 俺の背よりも高い資料棚がずらりと並んでいて、
 図書室にいる人からは見えない。
 


「花名君……お待たせ……」


 そう言いながら、琴梨が棚の角から
 ひょっこりと顔を出した。


「遅いん……え?」


 琴梨だけじゃ……ない?



「あのね……

 美咲ちゃんが、
 花名君に話があるんだって……」


 琴梨の後ろに
 隠れるように立っているのは、
 同じクラスの城山美咲だ。


 これって……

 俺に話があるのは……

 琴梨じゃないってことだよな……



「恥ずかしいよ……

 琴梨、私の代わりに言って……」


「あのね……
 美咲ちゃんね……

 礼音くんのことが好きなんだって……」


  
 は?