2ページ目「ヲタク人を助ける」


夏休みが明け、桜丞はダルそうに家を出ると学校へ向かって歩き出す。

ミーンミーンミーン‥‥‥
ツクツクボーシ‥
と忙しく鳴き続ける蝉に若干ムカつきながら、制服の袖で額の汗を拭う。

「おっ、桜丞!ちゃんと来たな!」
と、悠紀が後ろから駆けてきて、肩をぽんっ!と叩く。

「俺もう、帰る。」
「は!?なんでだよ!学校目の前っ!」
回れ右!をする桜丞の肩を掴んでそれを阻止すると引っ張って校門へ向かう。
校門には、生徒指導の教師がいた。
その教師は体育教師でゴリラみたいに巨漢である。そして顔も少しゴリラ似?である。
生徒たちからはゴリセンと呼ばれ避けられている。それはゴリセンが女子生徒に対する態度と、たちの悪さである。
校門で目光らせて生徒たちを見るゴリセンは、ある女子生徒に目つける。
「おい、お前。スカートが短すぎるんじゃないか?」
と、女子生徒の膝を触る。
「あ、あの、短くないです‥」
何がたちが悪いって?
それは、派手な目な生徒にやると強気なので言われる為、わざと目立たない生徒を選んではセクハラをしている。
「あの子可哀想‥」
「ゴリセン、もろ触ってるし」
などと生徒たちの声が聞こる。
「これは短いぞ。」
と、未だに膝を触っているゴリセンは女子生徒嫌がる顔を見て気味が悪い笑みを浮かべている。

桜丞は、眼鏡をクイッとすると一歩、ゴリセンに近づく。