「おい、なんで閉めるだよ?」
「開けてはならない箱をあけてしまった。」
悠紀は「何言ってんだ?パンドラか!」
といい玄関の扉を開けた。
「‥‥‥。」
バタンッ。
くるり。桜丞の方へ首を向ける悠紀の顔には汗が流れている。
「どうだ?パンドラの箱を開けた感想は?」
腕組みして悠紀を見据える桜丞は顔色を変えずに言う。
「うん。そうだな‥‥あえて言うなら、般若より怖い。」
そうか。と言うと桜丞は再び玄関を開ける。
やはり、般若が仁王立ちしている。
「‥‥‥チェンジで。」
それだけ言うと般若を素通りしていくが、肩を掴まれる。
「おい、ゴラァ‥クソガキぃ今日は勉強しろって言ったよな?なに外ほっつき歩いてんだ?」
今にも喰い殺しそうな顔をする母親に桜丞の顔色もだんだんと変わっていく。
「ほら、引き篭もってるから運動?」
というと般若から鉄槌が落ちた。
「せっかくゆきくんが教えに来てくれてんのに。お前、真面目にやらねぇとどうなるか分かってんのか?」
般若の手には人質が‥

「そ、それは、メイト限定のだか○ちのフィギュア!!何故貴様の手の内に!」
「お前の部屋から拝借した。今日中にやらねぇと人形の手足が落ち、最後には首が落ちる事になるだろうな。」
般若はそう言うと、エプロンのポケットにしまう。
「待ってろよ、とー○か!ちゅん○の元へと返してやるからな!行くぞ!ゆき!!」

桜丞は猛スピードで部屋へと入ると宿題をし始めた。