「あ?なんだてめぇは?」

大木は、涙と鼻水と鼻血が混ざった液を垂らしながら嬉しそうな顔をすると歓喜の声をあげる。

「か、かかかか枢氏〜!!助けに来てくれたのですか!?」
「おぉ、大木。大丈夫か?不細工がもっと不細工になってんな。」
と、笑う枢は不良たちを睨みあげると眼鏡をくぃとあげると不敵な笑みを浮かべる。
「そいつの金、返してもらうぞ。」
「あぁ!?キモヲタがいきがってんじゃねぇぞ!」

枢は、襲いかかる不良たちを一瞬で倒してしまった。
「こんなもんだろ?」
「枢氏!ありがと!」
そのあとから松尾が追いついてきた。
「お、松尾サンキュ」
アニメイトの袋を受けとり、大木に
「もう、絡まれるんじゃねぇぞ。」
と言うと去って行く。
「枢氏‥‥かっこい‥」
「しびあこ」

枢は、再び鼻歌を歌いながら秋葉を歩く。
「桜丞!ここに居たのかよー!店から居なくなるから探したぞ!」
枢桜丞(かなめおうすけ)
ここ秋葉で彼の事を知らない者はいない。今や秋葉のカリスマとも呼ばれているらしいが本人はそのことは知らない。

「乙〜。ゆきちゃん。そしてめんご」
心が篭っていない謝罪をされイラッとするゆきちゃんこと、上田悠紀(うえだゆうき)
「用事はすんだろ?早く家に帰るぞ!」
悠紀は桜丞の腕を掴んだ帰路につく。
「お前さ、宿題しねぇとやばいぞ?」
「宿題しなくても死にはしねぇよ。」
「お前、それ去年も言って伊東に殺されかけてたろ?」
桜丞はうるせぇーな!ちゃんとやるよ!といい玄関を勢い良く開けると、そこには般若の顔した母親が仁王立ちしていた。
「‥‥‥。」 
バタンッ。
無言でゆっくりと扉を閉める。