市民体育館の中は、熱気に包まれていた。


キュッ。


バスケシューズのこすれる音。

ボールが弾む

起こる歓声が熱気を濃くする





「お願い。柚ちゃんっ。

明日付き合って」


そう

隣のクラスの亜美に頼まれたのは,、昨日のこと。


「明日のバスケ部の試合、対戦相手が西高なの。

私の好きな速水くんが出るのー。

柚ちゃんが興味ないことも。

むしろ、五十嵐が出るバスケの試合なんて

見たくないのは

もちろん。わかっ」


「行くっ」

柚季は一つ返事で答えた。

「え?

そうっ?ありがとうっ」