「祐二君、お熱はどのくらいありますか?」
「さっき計ったら…38度あった…」
「お薬は飲まれましたか?ご飯は…」
「まだ食べてない…から、飲んでない…」
コホッと祐二君が咳き込みます。
「お水です…ゆっくり飲んで、安静にしていてくださいね。わたしはお粥を作ってきます!」
そうわたしが言うと、祐二君が目を丸くしました。
「え、先輩…作れるの?」
「はい!お母様からお料理を教わっていますので」
「あー…そっか。花嫁修行、もう始めてたんだっけ先輩……ゲホゲホっ…」
花嫁修行は、いつ祐二君と結婚してもいいようにと毎日お勉強しています。
それが早速 役にたつなんて…備えあればなんとやらですね。
わたしはベッドに横たわる祐二君に、ふわりと布団を被せました。
さてお台所は…と部屋を出ようとした時。
祐二君がわたしの袖口をクイッと掴みます。
「僕が眠るまで…行かないで?」
きゅうううん…!
ハートが射ぬかれました…!
祐二君は不安げにわたしを見つめます。
「も、もちろんです祐二君…お側にいますよ」
わたしは祐二君の手を両手で包み込みます。
祐二君がへにゃりと笑いました。
「…へへ…先輩、一人占めだ…超嬉しい…」
「っ……!!」
胸が締め付けられて、もっと甘やかしてあげたくなる…。
愛おしいとは、こんな気持ちを言うのでしょうか…。
「僕…ちょっと寝るね…」
「は…はい、おやすみなさい祐二君…」
祐二君のサラサラとした黒髪を撫でながら、わたしは祐二君の寝顔を見ていました。
わたしの恋人は、なぜこんなにも可愛いのでしょうか…?