婚活やめたら運命の人が待っていた

「それでは、お時間となりましたので、男性はテーブルの移動をお願いします!」




明るい声で、女性の司会者は男性参加者のテーブル移動を促す。




「では、ありがとうございました。」




社交辞令的に握手の手を伸ばしてきた目の前の彼の表情には、ようやくここを離れられるという安堵感がありありと浮かんでいた。


この人、浮気したら絶対に即バレるタイプだ。




嘘が下手くそな医者の彼に差し出された手に触れ、もう会うことはないだろうと思いながらも同じく社交辞令を返す。




「こちらこそ、お話できて楽しかったです。」




口角、口角!

不自然にならないように、出かける直前まで笑顔の練習したんだから。




また当たり障りのない言葉を反射的に発している自分に気付いてハッとしたとき、きっと一瞬だけ真顔に戻っていたような気がする。




意識して笑顔を作ってたのに、素に戻ってからは握手した彼の手汗の方が気になっちゃったよ。

……私、嫌な顔してなかったかな?