婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!


「う、うん」

「おまえもようやくパリピ連中の仲間入りかー」

「ぱ、ぱりぴ…?」



豹牙は聞いたことない言葉をよく使う。流行の言葉なのか、私には解読不可能なものも多い。

そんな豹牙は、うひゃひゃひゃ…と笑いながら、毘沙門天様に言われた通り、周りの片付けを始めていた。

物珍しいカタチの燭台?…お兄様は焚き火台って言ってたっけ。あと、椅子と。

これ、何なんだろ。考えていたことがそのまま言葉に出てしまう。



「豹牙、それ何?」



改めてマジマジと見ると、本当に珍しい。

燭台も椅子も斬新なカタチだ。椅子に至っては、骨組みや足が見た目何の種類かわからない金属だ。

そして張られている布も、随分丈夫そう。何の布?綿?絹?色も真っ青で奇抜。どんな風に染めたらこんな派手な色が出るんだろう。



未知の物体に首を傾げ続ける私に、豹牙は自信満々に胸を張って答える。



「これ?…ファイヤーグリルとキャンピングチェア」

「え?きゃんぴん?…ん?」

「うひひひ。見た事ないだろう。それもそのはず。これは人間界グッズですから!」

「…人間界?!」